1. 引っ越しても本籍は移さなくていい
本籍は戸籍がある場所で、住んでいる場所(住所)とは別のものです。引っ越したときに必要なのは、住所の届出(転出届・転入届、または転居届)で、本籍を一緒に移す決まりはありません。
川崎市は、転籍届を出すことで本籍を変えられ、転籍先は日本国内であればどこに決めてもかまわないと案内しています(新しい本籍は地番などで特定する必要があります)。つまり、本籍を移すかどうかは自分で決められます。
| 住所 | 本籍 | |
|---|---|---|
| 何の場所? | 実際に住んでいる場所(住民票に記録) | 戸籍がある場所 |
| 引っ越したら | 転入届・転居届が必要(引っ越した日から14日以内) | 移さなくてよい。移したいときだけ転籍届を出す |
住所の届出のしかたは「転出届・転入届・転居届の出し方」で解説しています。
2. 本籍地が遠くても戸籍証明書は近くで取れる
「本籍地が遠いと、戸籍謄本を取るのが大変なのでは?」と心配になるかもしれません。令和6年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まっています(法務省)。
- 住んでいる所や勤め先の近くの市区町村の窓口で請求できる。本籍地が全国にあっても、1か所でまとめて請求できる
- 請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母など(直系尊属)・子や孫など(直系卑属)の戸籍証明書
- 本人が窓口に行く必要がある。郵送や代理人による請求はできない
- 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、顔写真付きの身分証明書が必要
- コンピュータ化されていない一部の戸籍は対象外。一部事項証明書・個人事項証明書は請求できない
また、本籍地ではない市区町村に戸籍の届出(婚姻届など)をするときも、戸籍証明書を付けるのが原則いらなくなりました(法務省)。本籍地が遠いことを理由に、急いで本籍を移す必要は少なくなっています。
3. 本籍を移したいときは「転籍届」
新しい住所の近くなどに本籍を移したいときは、転籍届を出します。戸籍法では、転籍するときは、新しい本籍を届書に書いて、戸籍の筆頭者とその配偶者が届け出ることになっています(第108条)。
- 届出の窓口:今の本籍地、新しい本籍地、または住所地の市区町村
- 届け出る人:戸籍の筆頭者と配偶者(届書にそれぞれの署名が必要。2人の署名があれば、1人で出しに行ける)
- 必要なもの:転籍届の用紙(全国どこの市区町村でも手に入る)
- 戸籍謄本:令和6年3月1日から、添付は原則不要。ただし、コンピュータ化されていない戸籍の場合は、今の本籍地で戸籍謄本を取って付ける
転籍届は、本籍の場所を変える手続きで、住所の届出の代わりにはなりません。引っ越しと同じ時期に本籍も移す場合は、転入届などの住所の届出も別に出しましょう。
結婚と一緒に本籍を決めるとき
結婚して新しい戸籍をつくるときは、婚姻届で新しい本籍を決めます。結婚と引っ越しが重なるときの手続きの順番は「結婚と引っ越しの手続きの順番」で解説しています。
4. 本籍を移したあとの手続き
運転免許証
運転免許証の記録には本籍も含まれていて、警視庁は、本籍が変わったときも記載事項の変更の手続きを案内しています。
- 持っていくもの:運転免許証と、本籍が記載された住民票の写し(コピー不可、交付から6か月以内、マイナンバーが記載されていないもの)
- マイナ免許証を持っている人も、本籍の変更には本籍が記載された住民票の写しを出す
- 手数料は無料
住所が変わったときの免許証の手続きは「運転免許証の住所変更」で解説しています。
そのほか
- パスポートなど、本籍(本籍の都道府県)が記載されている書類を持っている場合は、変更の手続きが必要かを、それぞれの窓口の案内で確かめましょう
5. よくある質問(FAQ)
- Q. 引っ越したら本籍も移さないといけない?
- A. 移さなくてかまいません。本籍は戸籍がある場所で、住所とは別のものです。本籍を移したいときだけ転籍届を出します。転籍先は日本国内ならどこに決めてもかまいません(川崎市の案内)。
- Q. 本籍地が遠いと、戸籍謄本を取るのが大変?
- A. 令和6年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まっています。ただし、本人などが窓口に行く必要があり、郵送や代理人による請求はできません(法務省)。
- Q. 転籍届はどこに出す?何が必要?
- A. 今の本籍地、新しい本籍地、または住所地の市区町村に出せます。届け出るのは戸籍の筆頭者と配偶者です。戸籍謄本の添付は令和6年3月1日から原則不要です(川崎市の案内)。
- Q. 本籍を移したら、運転免許証の手続きはいる?
- A. 必要です。警視庁の例では、運転免許証と、本籍が記載された住民票の写し(交付から6か月以内)を持って、記載事項の変更の手続きをします。手数料は無料です。
引っ越しの手続き、もう忘れない
転出届・転入届からマイナンバーカード、運転免許証まで、引っ越し日を入れるだけでやることを期限つきで一覧にできます。
引越ナビなら全部まとめて無料で使えます。
※ 本記事は、戸籍法(第25条・第108条・第109条)、法務省(戸籍法の一部を改正する法律について〈令和6年3月1日施行〉)、川崎市(本籍を変更したいとき)、警視庁(記載事項変更〈住所、氏名、本籍の変更の方〉)の公式情報をもとに、2026年10月時点の情報で作成しています。届出の方法や必要なものは市区町村によって違う場合があるため、届け出る市区町村の案内をご確認ください。