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0. 「引っ越し祝い金」とは?もらえるお金は3種類
「引っ越し祝い金」と呼ばれるお金は、出すところによって大きく3種類に分かれます。どれにあたるかで、条件や申し込み先がまったく違います。
| 種類 | 出すところ | 例 |
|---|---|---|
| 補助金・支援金 | 国・都道府県・市区町村 | 移住支援金、新婚世帯の家賃・引越費用の補助、子育て世帯の住み替え支援など |
| 祝い金・手当 | 勤め先の会社 | 転勤手当(赴任手当)、結婚祝い金、住宅手当など |
| キャンペーン | 引っ越し業者・見積もりサイト・部屋探しサイトなど | 割引、キャッシュバック、ギフト券のプレゼントなど |
金額が大きいのは国・自治体の補助金ですが、条件が細かく決まっています。会社の祝い金・手当は勤め先の規程しだい、キャンペーンは申し込み方法や期限などの条件つきです。どれも「自分が対象か」を先に確認しましょう。
1. 自治体の引っ越し補助金制度とは
多くの市区町村では、人口減少対策や子育て支援の一環として、引っ越しにかかる費用の一部を助成する制度を設けています。制度の名称は自治体によって異なりますが、代表的なのは「移住支援金」「新婚世帯向けの補助(結婚新生活支援)」「子育て世帯向けの支援」です。
金額は制度によってさまざまで、引っ越し費用だけでなく、家賃や住宅の取得・リフォームの費用が対象になる制度もあります。「自分の引っ越し先には制度があるのか」を、引っ越す前に調べておきましょう。
2. 移住支援金
移住支援金は、東京23区に住んでいた人や東京23区に通勤していた人が、東京圏の外(東京圏の条件不利地域を含む)に移住して、就業などの条件を満たした場合に、都道府県と市町村が支給するお金です。国(内閣府)が支援していて、内閣府の案内では次のように示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給額 | 世帯で移住する場合は100万円以内、単身の場合は60万円以内。18歳未満の子どもを連れて移住する場合は、子ども1人につき最大100万円を加算 |
| 移住元の条件 | 移住する直前の10年間で通算5年以上、東京23区に住んでいた、または東京圏(条件不利地域を除く)に住んで東京23区に通勤していた。直近1年以上は、東京23区に住んでいたか通勤していたこと |
| 移住先での条件 | 次のいずれか:都道府県のマッチングサイトに載っている求人に就職する/テレワークで今の仕事を続ける/市町村ごとの独自の条件を満たす/起業支援金の交付決定を受ける |
| 申請 | 移住先の市町村に、転入してから1年以内に申請 |
| 返還 | 申請から5年以内に移住先から転出した場合などは、返還が必要 |
移住支援金は、実施しているかどうかや金額、細かい条件が都道府県・市町村ごとに違います。実施している自治体の一覧は内閣府の地方創生のWebサイトで公開されているので、必ず移住先の自治体で最新情報を確認してください。北陸3県の例は「福井県」「石川県」「富山県」の記事で紹介しています。
引っ越し費用と移住支援金の上限を差し引きで計算したい人は、「地方移住のお金シミュレーター」を使ってみてください。対象になりそうかの条件チェックもできます。
3. 新婚世帯への家賃・引越費用の補助(結婚新生活支援)
新婚世帯の住まいの費用や引っ越し費用を、市区町村が補助する制度です。「結婚新生活支援事業」などの名前で、多くの自治体が行っています。国(こども家庭庁)が自治体の取り組みを支援していて、「令和8年度地域少子化対策重点推進交付金」の概要では、次のように示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の世帯 | 夫婦ともに39歳以下で、世帯所得が500万円未満 |
| 対象の費用 | 結婚にともなう住宅の取得費用、リフォーム費用、住宅の賃借費用(家賃など)、引越費用 |
| 補助の上限 | 夫婦ともに29歳以下:60万円/夫婦ともに39歳以下(29歳以下を除く):30万円 |
結婚と引っ越しが重なるときの手続きの順番は「結婚と引っ越しの手続きの順番」で解説しています。
4. 子育て世帯向け支援
子育て世帯の移住・住み替えを後押しするため、独自の引っ越し費用助成やリフォーム費用補助を行う自治体も増えています。多子世帯や、ファミリー向け住宅への住み替えを対象とするケースが目立ちます。
- 第2子・第3子以降の出産を機にした住み替え費用の助成
- 子育て世帯の空き家活用・移住に対する補助金
- 多世代同居・近居のための引っ越し費用補助
- ひとり親世帯向けの引っ越し費用貸付・助成制度
子どもがいる家庭の転校・転園の手続きは「引っ越し時の子供の転校手続き」で解説しています。
5. 企業の引っ越し祝い金・転勤手当
会社によっては、転勤や結婚・出産を機にした引っ越しに対して「祝い金」や「転勤手当」を支給する福利厚生制度を用意しています。制度の有無や金額は就業規則・福利厚生規程に明記されているため、まずは総務・人事に確認しましょう。
主な企業支給金の種類
- 転勤手当(赴任手当) ── 会社都合の転勤に伴う引っ越し費用の実費または定額支給
- 結婚祝い金 ── 結婚に伴う引っ越しに対して一時金を支給する企業もある
- 住宅手当・家賃補助 ── 引っ越し後の家賃の一部を継続的に補助
- 単身赴任手当 ── 単身赴任者に対する二重生活費の補助
6. 引っ越し業者のキャッシュバック・割引キャンペーン
引っ越し業者や見積もりサイトのキャンペーンも見逃せません。内容や条件は業者・時期によって違うので、申し込む前に条件(対象の期間、申し込み方法、受け取りの手続きなど)を確認しましょう。
- 一括見積もりサイトのキャンペーン(ギフト券のプレゼントなど)
- 平日や閑散期の割引
- 早めに予約した場合の割引
- 紹介キャンペーン(紹介した人・された人に特典)
費用そのものを安くする方法は「引っ越し費用を安くする方法10選」、部屋を借りるときの初期費用を抑える方法は「賃貸の初期費用を安くする方法」で解説しています。
引っ越し料金そのものの目安は「引っ越し費用の相場」、料金が安くなりやすい時期は「引っ越しが安い時期はいつ?」で紹介しています。
7. 申請の流れと必要書類
制度によって細部は異なりますが、一般的な申請の流れは以下の通りです。
- 自治体・企業の公式サイトやパンフレットで制度の有無と条件を確認
- 事前相談・仮申請(転入前に必要な制度が多い)
- 転入届の提出、住民票の異動
- 必要書類を揃えて本申請(申請期間に注意)
- 審査・交付決定通知の受領
- 指定口座への振込(かかる期間は自治体によって違う)
一般的に必要な書類
- 申請書(自治体所定の様式)
- 住民票の写し(世帯全員分)
- 賃貸借契約書の写し、または引っ越し費用の領収書
- 婚姻の事実がわかる書類(新婚世帯向けの補助の場合)
- 課税証明書・所得証明書
- 就業・内定を証明する書類(移住支援金の場合)
- 振込先口座の通帳の写し
8. 対象条件の確認方法
自分が制度の対象になるかどうかを確認するには、以下の方法が確実です。
- 移住・引っ越し先の市区町村公式サイトで「移住支援金」「結婚新生活支援」などのキーワードで検索
- 移住支援金は、内閣府の地方創生のWebサイトで実施している自治体の一覧を確認
- 自治体の移住相談窓口・子育て支援課へ電話やメールで直接問い合わせ
- 会社の就業規則・福利厚生規程、または人事担当者への確認
9. 注意点(期限・併用不可のケース)
- 予算の上限に達すると早期終了することがある(先着順の制度も多い)
- 複数の補助金の併用が制限される場合がある(同じ費用に複数の補助を重ねて使えないことがある)
- 一定期間の定住が条件となっており、途中で転出すると返還を求められることがある
- 所得制限があるため、世帯収入によっては対象外になる
「補助金がもらえる」という勧誘や申請サポートに注意
自治体の補助金は、引っ越し先の自治体のWebサイトや窓口で条件と申請のしかたを確認して、自分で申請できます。「補助金がもらえる」「申請を代わりにやる」とうたうサービスや勧誘を使う前に、次の点を確認しましょう。
- その補助金が、引っ越し先の自治体で本当に実施されているか(自治体の公式サイトで確認する)
- サービスの料金、解約の条件、解約するときの違約金
- 事実と違う内容で申請するように言われていないか
10. 主な自治体の支援例
制度の具体的なイメージを持てるよう、代表的な支援内容のパターンを紹介します(金額・条件は自治体・年度により変動するため、必ず最新情報を確認してください)。
| 制度タイプ | 支援内容の例 |
|---|---|
| 地方移住・Uターン支援 | 移住支援金(単身60万円以内・世帯100万円以内+子どもの加算)、空き家の改修費の補助など |
| 結婚新生活支援 | 住宅の取得・リフォーム・家賃・引越費用の補助(国の制度の上限は30万円または60万円) |
| 子育て世帯住み替え支援 | 引っ越し費用の一部の助成など(金額は自治体によって違う) |
| 三世代同居・近居支援 | 近居のための引っ越し費用・リフォーム費用の一部助成 |
| 奨学金返還支援と連動した移住支援 | 移住+就業で奨学金返還額の一部を自治体が負担 |
11. よくある質問(FAQ)
- Q. 引っ越し祝い金はどこに申請する?
- A. 自治体の制度は、引っ越し先の市区町村が窓口です。制度ごとに担当の課(移住・子育て・住宅など)が違い、転入する前に事前相談が必要な制度もあります。会社の祝い金・手当は勤め先、業者のキャンペーンはそれぞれの業者やサイトに申し込みます。
- Q. 補助金の申請サポートは使ったほうがいい?
- A. 自治体の補助金は、自治体のWebサイトや窓口で条件を確認して自分で申請できます。サービスを使う場合は、料金・解約条件・違約金を確認しましょう。国民生活センターは、失業保険の申請サポートで高額な違約金や事実と違う申請の指示などの相談が増えていると注意を呼びかけています。困ったときは消費者ホットライン188に相談できます。
- Q. 補助金と業者のキャッシュバックは併用できる?
- A. 多くの場合、自治体の補助金と引っ越し業者独自のキャンペーンは性質が異なるため併用可能です。ただし、キャンペーンの条件や、自治体の補助金どうしを一緒に使えるかは制度によって違うので、それぞれの条件と窓口で確認しましょう。
- Q. 賃貸ではなく持ち家の購入でも補助金は使える?
- A. 制度によります。新婚世帯向けの補助は、国の資料では住宅の取得費用やリフォーム費用も対象に含まれています。ただし、実際に何が対象になるかは自治体ごとに違うので、住む予定の市区町村の要綱を確認してください。
- Q. 申請してからお金が振り込まれるまでどれくらいかかる?
- A. 自治体や制度によって違います。申請のあと、審査と交付の決定を経てから振り込まれるので、すぐには受け取れません。引っ越しの費用は、いったん自分で用意できるように計画しておきましょう。
- Q. 学生や単身赴任者でも自治体の補助金は使える?
- A. 制度によります。移住支援金は基本的に「就業・起業」を条件とするため、進学のみを目的とした学生の引っ越しは対象外となることが一般的です。単身赴任は会社の転勤手当の対象になることが多いので、まずは勤務先に確認しましょう。
- Q. 補助金の情報はどこで一番早く手に入る?
- A. 引っ越し先の自治体の公式サイトの「子育て支援」「移住・定住」のページが最も正確です。移住支援金は、内閣府の地方創生のWebサイトで実施している自治体の一覧も公開されています。
※ 本記事は、内閣府(地方創生 移住支援金)、こども家庭庁(令和8年度地域少子化対策重点推進交付金の概要)、国民生活センター(失業保険の申請サポートに関する注意喚起、2025年12月)の公式情報をもとに、2026年10月時点の情報で作成しています。制度の内容・金額・条件は自治体・企業・年度によって変更される場合がありますので、必ず最新の公式情報をご確認ください。