1. 灯油は引っ越し業者に運んでもらえない
多くの引っ越し業者が使っている国土交通省の「標準引越運送約款」では、業者は「火薬類その他の危険品」など、ほかの荷物に損害を与えるおそれのあるものは、引き受けを断ることがあると決めています(第4条第2項)。灯油は燃えやすい危険物なので、引っ越しの荷物としては運んでもらえないと考えておきましょう。
- アリさんマークの引越社:ストーブのタンクの中や底にたまった灯油は、トラックで運ぶ途中にこぼれてしまうので、ポンプで必ずポリタンクに移す。ポリタンクの灯油は運べない
- 日本通運:石油ストーブの荷造りでは、必ず燃料タンクから灯油を抜き取る。抜いた灯油の処理は、事前に近くのガソリンスタンドなどに相談しておく
- サカイ引越センター:一般的に、危険物(引火性のあるもの・ガス類など)は運べない。運べるかどうかは見積もりのときに相談する
日本通運は、石油ストーブの本体は引っ越し業者が梱包すると案内しています。運べるものと運べないものは業者によって違うので、見積もりのときに確かめておきましょう。荷造り全体の進め方は「引っ越しの荷造りのコツ」で解説しています。
2. 余った灯油の処分のしかた
余った灯油を家庭ごみとして収集していない市は多く、ストーブのメーカーのコロナも、灯油の処分は灯油を買った販売店に相談するよう案内しています。市によって案内が違うので、いくつかの例を紹介します。
| 市 | 余った灯油の扱い(公式の案内) |
|---|---|
| 仙台市 | 灯油や廃油は市では収集しない。処理業者に頼むか、販売店などに相談する。同じ系列のガソリンスタンドでも、店舗によっては処分できない場合があるので、事前に相談する |
| 青森市 | 市で収集しないごみ。販売店などの取扱業者に回収を頼む |
| 札幌市 | 少量なら、布や古紙などにしみこませて「燃やせるごみ」に出す。多い場合は販売店に相談する |
このように、少しなら燃えるごみに出せる市もあれば、まったく収集しない市もあります。今住んでいる市区町村のごみの分別のページで「灯油」を調べてから処分しましょう。
3. ストーブ・ファンヒーターの灯油を抜く
ストーブやファンヒーターを新居に持っていくときも、捨てるときも、中の灯油を抜いておく必要があります。コロナは、ファンヒーターを運ぶときは給油タンクを外し、本体の固定タンクの中の灯油も抜くよう案内しています。運ぶ途中で灯油がこぼれて、まわりを汚すおそれがあるためです。
- 火を消して、本体が冷えてから作業する
- 給油タンク(カートリッジタンク)を外して、中の灯油をポリタンクに戻す
- 本体の固定タンクに残った灯油は、市販の給油ポンプなどで抜く(コロナの案内)
- くわしい手順は機種によって違うので、取扱説明書やメーカーの案内を確かめる
灯油が残りそうなときは、引越ナビの目安として、引っ越しの日が近づいたら灯油を買い足さずに使い切るように調整しておくと、処分する量を減らせます。仙台市も、灯油などは計画的に買うよう呼びかけています。
なお、コロナは、変質灯油や不純灯油などの不良灯油を使ったことによる故障や事故は、保証期間内でも保証の対象外としています。新居で使うときは、灯油の状態にも気をつけましょう。
4. 空のポリタンク・ストーブの出し方
ポリタンク
灯油のポリタンクは、中身を空にすればごみとして出せる市が多いです。ただし、燃えるごみか燃えないごみかは市によって違います。
| 市 | 灯油のポリタンク(中身を空にしてから) |
|---|---|
| 福井市 | 福井・美山区域は「燃やせないごみ」、越廼・清水区域は「燃やせるごみ」の日に、指定ごみ袋に入れて出す |
| 札幌市 | 「燃やせるごみ」に出す |
| 青森市 | プラスチック製のポリタンクは「燃えるごみ」。金属製の室内用・携帯用の灯油タンクは「燃えないごみ」 |
ストーブ・ファンヒーターを捨てるとき
富山市は、石油ストーブやファンヒーターを捨てるときは、カートリッジタンクと本体の灯油を完全に抜き、乾電池を取り除くよう案内しています。灯油が残っていると収集できません。青森市では、灯油式・石油式のストーブやファンヒーターは、大きさに関わらず「粗大ごみ」で、必ず油を抜き取って出します。
粗大ごみは申し込みから収集まで日にちがかかることがあります。ほかの不用品の処分のしかたは「引っ越しの不用品処分」で解説しています。
5. 引っ越しまでの段取り
引越ナビの目安として、灯油は次の順番で片づけると、引っ越しの直前にあわてずにすみます。
| 時期(目安) | やること |
|---|---|
| 引っ越しの日が決まったら | 灯油を買い足しすぎないようにして、残りを使い切る計画を立てる |
| 1〜2週間前 | 今の市区町村の灯油の出し方を調べる。収集しない場合は、灯油を買った販売店やガソリンスタンドに引き取ってもらえるか相談する |
| 前日まで | ストーブ・ファンヒーターの灯油を抜く。残った灯油は相談した方法で処分し、空のポリタンクは市のルールで出す |
| 引っ越したあと | 新居で使う灯油は、あらためて近くの販売店などで買う |
雪の多い地域への引っ越しで気をつけることは「冬・雪の日の引っ越し」で解説しています。
6. よくある質問(FAQ)
- Q. 引っ越し業者に灯油を運んでもらえる?
- A. 運んでもらえないと考えておきましょう。標準引越運送約款では、業者は火薬類その他の危険品など、ほかの荷物に損害を与えるおそれのあるものは引き受けを断ることがあると決めています(第4条第2項)。アリさんマークの引越社は、ポリタンクの灯油は運べないと案内しています。
- Q. 余った灯油は燃えるごみに出せる?
- A. 市によって違います。札幌市は少量なら布や古紙にしみこませて「燃やせるごみ」に出せるとしていますが、仙台市や青森市は灯油を収集せず、販売店などに相談するよう案内しています。今住んでいる市区町村の案内を確かめましょう。
- Q. ストーブは灯油が入ったまま運んでもらえる?
- A. 灯油は抜いておきましょう。日本通運は、石油ストーブの荷造りでは必ず燃料タンクから灯油を抜き取るよう案内しています。コロナも、ファンヒーターを運ぶときは給油タンクを外し、固定タンクの灯油を抜くよう案内しています。
- Q. 空になったポリタンクは何ごみ?
- A. 市によって違います。福井市は区域によって「燃やせないごみ」か「燃やせるごみ」、札幌市は「燃やせるごみ」、青森市はプラスチック製なら「燃えるごみ」です。どの市でも、中身を空にしてから出します。
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※ 本記事は、国土交通省「標準引越運送約款」(第4条)、アリさんマークの引越社(電化製品のお引越し準備)、日本通運(引越しの荷造りのコツ)、サカイ引越センター(よくあるご質問:引越し作業)、コロナ(器具を運搬する時はどのようにすればよいですか、ファンヒーターのよくあるご質問、暖房シーズン終了にともなうお手入れ方法と保管方法)、仙台市(灯油等の流出事故を防ぎましょう)、札幌市(危険物に関するお知らせ)、青森市(ごみの出し方分別事典)、福井市(灯油が入っていたポリタンクは何ごみですか)、富山市(石油ストーブ、ファンヒーターはどのようにして捨てるとよいですか)の公式情報をもとに、2026年10月時点の情報で作成しています。灯油やポリタンクの出し方は市区町村によって違うため、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。段取りの時期は引越ナビの目安です。