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賃貸の退去費用ガイド|敷金返還・原状回復の相場とぼったくり対策

更新日: 2026年9月17日 ・ 読了目安: 9分

引っ越しで賃貸を退去するとき、「敷金は戻ってくるの?」「退去費用はいくらかかるの?」と不安に感じる方は多いでしょう。実は、退去費用のトラブルは国民生活センターへの相談件数トップクラスです。この記事では、原状回復のルール・退去費用の相場・不当な請求への対処法を解説します。

1. 原状回復のルール

「原状回復」とは、退去時に部屋を入居時の状態に戻すことですが、新品の状態に戻す義務はありません。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、以下のように定義されています。

ガイドラインの定義:原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」です。つまり普通に暮らしていて生じた汚れや傷は大家負担です。

経年劣化と通常損耗

以下は大家(貸主)が負担すべきもので、入居者に請求することはできません。

2. 大家負担と入居者負担の境界線

損耗の種類 大家負担 入居者負担
壁の傷 画鋲・ピンの穴 ネジ穴・くぎ穴、大きな穴
壁紙の汚れ 日焼けによる変色 タバコのヤニ汚れ
フローリング 家具の設置跡・日焼け 物を落とした傷、ペットの引っかき傷
カーペット 家具跡・日焼け 飲み物をこぼしたシミ、カビ
水回り 経年による蛇口の劣化 掃除を怠ったカビ・水垢
経年劣化による交換 紛失による交換
注意:「ペット可」物件でも、ペットによる傷や臭いは入居者負担になることがほとんどです。ペットを飼う場合は入居時に契約書の原状回復条項を必ず確認しましょう。

経過年数による減額

入居者に責任がある損耗でも、設備の残存価値に応じて減額されます。例えば壁紙(クロス)の耐用年数は6年です。6年以上住んでいれば、壁紙の残存価値は1円となり、タバコのヤニ汚れがあっても入居者の負担はほぼゼロになります。

設備 耐用年数 6年居住時の入居者負担割合
壁紙(クロス) 6年 約1%(残存価値1円)
カーペット 6年 約1%
クッションフロア 6年 約1%
畳(表替え) 経過年数は考慮しない 損傷の程度による
フローリング 経過年数は考慮しない 損傷の程度による

3. 退去費用の相場

間取り 退去費用の相場 敷金で収まる目安
ワンルーム・1K 20,000〜50,000円 敷金1ヶ月で十分
1LDK・2DK 30,000〜80,000円 敷金1ヶ月でほぼ収まる
2LDK・3DK 50,000〜120,000円 状態による
3LDK以上 70,000〜150,000円 追加請求の可能性あり

上記はあくまで目安です。普通に生活していた場合の相場で、主にクリーニング費用が中心です。大きな傷や汚れがなければ、敷金の範囲内で収まることがほとんどです。

ハウスクリーニング費用の相場

退去時のクリーニング費用は、多くの賃貸契約で入居者負担とされています(特約として契約書に明記されている場合)。

間取り クリーニング費用
ワンルーム・1K 15,000〜30,000円
1LDK・2DK 25,000〜45,000円
2LDK・3DK 40,000〜70,000円
3LDK以上 60,000〜90,000円

4. 敷金の返還ルール

敷金は退去時に返還されるのが原則です。2020年4月施行の改正民法(第622条の2)で、以下のルールが明文化されました。

重要:「敷金は返ってこないもの」と思い込んでいる方が多いですが、法律上は返還が原則です。普通に生活していれば、クリーニング費用を差し引いた残額が返ってくるはずです。

敷金が返還されるまでの期間

一般的に、退去後1〜2ヶ月で返還されます。契約書に返還時期が記載されていない場合、退去後の合理的な期間内(通常1ヶ月程度)に返還するのが判例上の原則です。

5. ぼったくり請求の見分け方と対処法

こんな請求は要注意

不当請求への対処ステップ

ステップ1:見積書の内訳を確認する

退去費用の見積書が届いたら、まず項目ごとの内訳を確認します。「一式」とだけ書かれている場合は、詳細な内訳を求めましょう。

ステップ2:ガイドラインと照らし合わせる

国土交通省のガイドラインに照らし、大家負担と入居者負担を整理します。通常損耗や経年劣化に該当する項目がないか確認します。

ステップ3:管理会社・大家に交渉する

不当と思われる項目について、ガイドラインを根拠に書面で交渉します。電話だけでなく、メールや内容証明郵便で記録を残しましょう。

ステップ4:相談窓口を利用する

交渉が難航する場合は、次の章で紹介する相談窓口を利用しましょう。

ポイント:退去費用に納得できない場合、すぐに支払う必要はありません。見積書を受け取ったら、内容を精査し、不明点は質問してから判断しましょう。

6. 退去前にやるべきこと

📋 退去前チェックリスト

退去立ち会いのポイント

退去の立ち会いは、管理会社と一緒に部屋の状態を確認する重要な機会です。

重要:退去立ち会い時にその場でサインを求められても、「持ち帰って確認します」と伝えましょう。その場でサインすると、後から異議を申し立てにくくなります。

7. 困ったときの相談先

相談先 電話番号 特徴
消費者ホットライン 188 最寄りの消費生活センターに繋がる
国民生活センター 03-3446-1623 退去費用トラブルの相談実績多数
法テラス 0570-078374 無料の法律相談。弁護士の紹介も
各都道府県の不動産相談窓口 各都道府県による 宅建業法に基づく指導ができる

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※ 本記事の情報は2026年9月時点のものです。手続きの詳細は各事業者・行政機関の公式サイトでご確認ください。