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退去・掃除

引っ越し退去時の掃除ガイド|敷金が返る掃除方法と場所別の手順

更新日: 2026年9月21日 ・ 読了目安: 12分

賃貸の退去時、「掃除はどこまでやればいいの?」「きちんと掃除すれば敷金は戻るの?」と迷う方は多いでしょう。実は、退去時の掃除の仕上がりが敷金の返還額を左右することがあります。この記事では、退去掃除の法律上の義務から、場所別の具体的な掃除方法、プロに頼むべきかの判断基準、退去立ち会いのチェックポイントまで徹底解説します。

1. 退去時の掃除はどこまでやるべきか

法律上、賃借人(入居者)には「善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)」があります。つまり、借りた部屋を常識的な範囲で丁寧に使い、退去時にはそれなりにきれいな状態で返すことが求められています。

法律上の義務と実際のライン

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、入居者が負担すべきなのは通常の使用を超える汚れや損傷のみです。

結論:退去前に「新品同様」にする必要はありませんが、「通常の掃除」はしておくべきです。掃除をまったくせずに退去すると、クリーニング費用に加えて原状回復費用を請求される可能性が高まります。

契約書の特約を確認しよう

多くの賃貸契約には、退去時のハウスクリーニング費用は入居者負担という特約が記載されています。この特約がある場合、どれだけ丁寧に掃除してもクリーニング費用は発生します。

ただし、自分で掃除をしっかりしておくことで、追加のクリーニング費用や原状回復費用を減らせる可能性があります。掃除をしないよりは、した方が確実にお得です。

2. 掃除で敷金が返ってくる可能性

敷金は退去時に返還されるのが法律上の原則です(改正民法第622条の2)。退去前の掃除をしっかり行うことで、敷金の返還額を最大化できます。

掃除の有無で変わる敷金返還額の目安

掃除の状態 追加費用のリスク 敷金返還の見込み
しっかり掃除した 低い クリーニング特約分を引いた残額が返還
普通に掃除した やや低い クリーニング費のみで収まることが多い
ほとんど掃除しなかった 高い 追加の原状回復費を請求される可能性
まったく掃除しなかった 非常に高い 敷金を超える請求が来る可能性も
重要:特にキッチンの油汚れ、浴室のカビ、トイレの尿石など、放置した結果ひどくなった汚れは「通常の使用を超える損耗」と判断され、入居者負担になりやすいです。日頃からこまめに掃除しておくのが一番ですが、退去前にしっかり落としましょう。

3. 場所別の掃除方法

退去時に特に重点的に掃除すべき場所と、具体的な掃除方法を解説します。

キッチン

キッチンは油汚れが蓄積しやすく、退去時に最もチェックされる場所の一つです。

コンロ周り

シンク

換気扇・レンジフード

換気扇は退去時に見落としがちですが、油汚れがひどいと追加費用を請求されることがあります。

コツ:換気扇の油汚れがどうしても落ちない場合は、セスキ炭酸ソーダが効果的です。お湯1Lにセスキ炭酸ソーダ大さじ1〜2を溶かし、1〜2時間浸け置きすると、重曹より強力に油を分解してくれます。

お風呂・浴室

浴室はカビと水垢の2大汚れへの対処が重要です。

カビの除去

水垢の除去

注意:塩素系漂白剤とクエン酸(酸性洗剤)を絶対に混ぜないでください。有毒な塩素ガスが発生し、非常に危険です。使用する場合は時間を空けて、十分に換気しながら行いましょう。

トイレ

壁紙・壁

壁紙の汚れは範囲が広いため、退去費用に大きく影響することがあります。

窓・窓サッシ

エアコン

エアコンの掃除は退去時に見落としやすいポイントです。

ポイント:エアコン内部のカビ取りまでは入居者の義務ではありません。フィルターとルーバー、吹き出し口を掃除しておけば十分です。内部洗浄が必要な場合はプロに依頼しましょう(費用は通常大家負担)。

床・フローリング

4. プロのハウスクリーニングに頼むべきか?

自分で掃除するか、プロに頼むか迷う方も多いでしょう。それぞれのケースを比較します。

プロに頼んだ方がいいケース

自分で掃除すれば十分なケース

ハウスクリーニングの費用相場

間取り 退去時クリーニング費用 作業時間の目安
ワンルーム・1K 20,000〜35,000円 2〜3時間
1LDK・2DK 30,000〜50,000円 3〜5時間
2LDK・3DK 45,000〜75,000円 5〜7時間
3LDK以上 65,000〜100,000円 7〜10時間

場所を限定して頼むことも可能です。

場所 費用の目安
キッチン 12,000〜20,000円
換気扇・レンジフード 10,000〜18,000円
浴室 12,000〜20,000円
トイレ 6,000〜10,000円
エアコン(1台) 8,000〜15,000円
おすすめ:全体をプロに頼む予算がない場合は、自分でできる箇所は自分で掃除し、換気扇や浴室のカビなど難しい箇所だけ部分的にプロに依頼するのがコスパの良い方法です。

5. 退去掃除のスケジュール

退去日から逆算して、計画的に掃除を進めましょう。

退去1ヶ月前

退去2〜3週間前

退去1週間前

退去前日〜当日

注意:荷物が残っている状態では掃除が不十分になりがちです。荷物の搬出後に最終掃除の時間を確保しておきましょう。引っ越し業者と退去立ち会いを同日にする場合は、掃除の時間を2〜3時間確保できるようスケジュールを組みましょう。

6. 掃除に必要な道具リスト

📋 退去掃除の道具チェックリスト
ポイント:すべてを買い揃えると3,000〜5,000円程度かかりますが、100円ショップで多くのアイテムが手に入ります。重曹、クエン酸、メラミンスポンジ、ゴム手袋、スポンジなどは100円ショップで十分です。

7. 退去立ち会いでチェックされるポイント

退去立ち会いでは、管理会社や大家が部屋の状態を確認します。特にチェックされるポイントを知っておくことで、重点的に掃除すべき箇所がわかります。

重点的にチェックされる箇所

チェック箇所 確認内容 入居者に請求される可能性
壁・天井 傷、穴、タバコのヤニ、カビ 大きな穴やヤニ汚れは請求対象
床・フローリング 傷、へこみ、シミ、変色 物を落とした傷やペットの傷は請求対象
キッチン 油汚れ、焦げ付き、シンクの状態 放置した汚れは請求対象
浴室 カビ、水垢、排水口の詰まり 掃除を怠った結果のカビは請求対象
トイレ 尿石、黄ばみ、水垢 掃除を怠った汚れは請求対象
窓・サッシ ガラスの破損、サッシの汚れ 破損は請求対象
収納・クローゼット 棚板の汚れ、カビ、臭い カビは請求対象になることも
ベランダ 汚れ、排水溝の詰まり 通常は大きな問題にならない

退去立ち会い時のポイント

重要:退去立ち会い時、その場で「この金額でOKですか?」とサインを求められることがありますが、絶対にその場でサインしないでください。見積書を持ち帰り、国土交通省のガイドラインと照らし合わせて内容を確認してから返答しましょう。一度サインすると、後から異議を申し立てにくくなります。

掃除後に写真を撮っておこう

退去前に掃除を済ませたら、部屋全体と各箇所の写真を撮影しておきましょう。後から「掃除していなかった」と主張された場合の証拠になります。

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※ 本記事の情報は2026年9月時点のものです。退去時の掃除義務や費用負担については、契約書の内容が優先されます。詳細は管理会社や不動産会社にご確認ください。