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1. 犬は30日以内に届出が必要
犬の飼い主は、狂犬病予防法により、犬の所在地の市区町村に犬を登録することになっています。犬の所在地が変わったときは、30日以内に、新しい所在地の市区町村に届け出なければなりません(狂犬病予防法第4条第4項)。届出をしなかった場合は、20万円以下の罰金の対象です(同法第27条)。
| 引っ越しのしかた | 届け出る先 | 期限 |
|---|---|---|
| 同じ市区町村の中で引っ越す | 今の市区町村 | 所在地が変わってから30日以内 |
| ほかの市区町村へ引っ越す | 引っ越し先の市区町村 | 所在地が変わってから30日以内 |
ほかの市区町村へ引っ越すとき(横浜市の例)
持ち物や窓口は市区町村によって違います。たとえば横浜市は、市外から引っ越してきたときの手続きを次のように案内しています。
- 窓口は区の福祉保健センター生活衛生課
- 前に住んでいた市町村で交付された鑑札を持っていく
- マイクロチップを装着している場合は、マイクロチップの番号が必要。環境省のデータベースに登録済みなら、登録証明書を持っていく
- 鑑札をなくした場合は、再交付の手数料(1,600円)がかかる
- 横浜市から市外へ引っ越すときは、横浜市での手続きはいらない(横浜市の鑑札を引っ越し先へ持っていく)
引っ越し先の市区町村のホームページで、窓口と持ち物を確かめておきましょう。
鑑札と注射済票は犬に着けておく
犬の飼い主は、鑑札と狂犬病予防注射の注射済票を犬に着けておくこと、予防注射を毎年1回受けさせることも決められています(狂犬病予防法第4条第3項・第5条)。引っ越しの前後で予防注射の時期が来る場合は、新しい住所の市区町村の案内を確認しましょう。
2. マイクロチップの住所変更(犬・猫)
2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫には、マイクロチップの装着が義務になっています(環境省)。販売業者以外の飼い主がマイクロチップを装着するのは、努力義務です(動物愛護管理法第39条の2)。
マイクロチップの情報を登録している犬・猫の飼い主は、住所などの登録事項が変わったら、30日以内に届け出なければなりません(同法第39条の5第8項)。届出は、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のサイトからオンラインでもできます。
3. 猫の引っ越し
狂犬病予防法の登録は犬が対象なので、猫には市区町村への登録の届出はありません。マイクロチップを登録している猫は、前の章のとおり住所変更の届出が必要です。
引っ越しの作業中は、玄関のドアを開けておく時間が長くなります。荷物の運び出しや運び入れの間は、猫をキャリーに入れておくか、ドアを閉めた別の部屋にいてもらい、外に出てしまわないようにしましょう。
4. ハムスター・うさぎ・鳥・魚など
ハムスター、うさぎ、鳥、魚などは、犬のような市区町村への登録の届出はありません。ただし、一部の動物は「特定動物」や「特定外来生物」として許可が必要です(次の章)。
小さな動物は、移動中の暑さや寒さの影響を受けやすいので、次のことに気をつけましょう。
- 小さめのキャリーやケースに移して、中で転がらないようにする
- 夏や冬は、エアコンの効いた車内で運ぶなど、温度に気をつける
- 車内に動物を置いたまま離れない
- 水槽で飼っている魚は、水や器具の運び方を、購入したお店などに相談しておく
- 新居に着いたら、できるだけ早くケージや水槽を元のように整え、静かな場所に置く
飼えなくなっても、外に放してはいけない
人が飼っている哺乳類・鳥類・爬虫類は、動物愛護管理法の「愛護動物」にあたります(第44条第4項)。引っ越し先で飼えないからといって捨てたり逃がしたりすることは、遺棄として罰則の対象です。
| 行為 | 罰則(動物愛護管理法第44条) |
|---|---|
| 遺棄(捨てる) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 虐待(えさや水を与えずに衰弱させるなど) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 殺傷(みだりに殺す・傷つける) | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金 |
新居で飼い続けられない場合は、知人に譲る、購入したお店に相談するなど、次の飼い主を探しましょう。ペット不可の物件で飼うと契約違反になるおそれがあるので、ケージで飼う小動物でも、入居前に管理会社や大家さんに確認しておきましょう。
5. 特定動物・特定外来生物
特定動物(ワニ・毒ヘビなど)
人に危害を加えるおそれがあるとして政令で定められた「特定動物」は、原則として飼うことが禁止されています(動物愛護管理法第25条の2)。飼えるのは、動物園での展示など環境省令で定める目的で、飼養施設の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合などです(同法第26条)。
- 飼養施設の所在地などを変えるときは、前もって都道府県知事の変更の許可が必要(同法第28条第1項)
- 許可を受けた人の住所などが変わったときは、30日以内に届け出る(同法第28条第3項)
都道府県をまたいで引っ越す場合の手続きは、今の自治体と引っ越し先の自治体の両方に、引っ越す前に相談しましょう。
特定外来生物(カミツキガメ・アライグマなど)
外来生物法の特定外来生物は、許可を受けた場合を除いて飼うことが禁止されています。許可を受けて飼っている場合、環境省は次のように案内しています。
- 申請者や主な取扱者の住所・氏名などが変わったときは、変わった日から30日以内に届け出る
- 飼養等施設を変える場合は、許可内容の変更を申請し、許可を得てから施設を変える
- 手続きや問い合わせの窓口は、地方環境局など
6. ペットの移動方法
電車(JR東日本の例)
JR東日本では、小犬・猫などの小動物は、次の条件で車内に持ち込めます。
- 動物専用のケースに入れる(ケースの縦・横・高さの合計が120cm以内)
- ケースと動物を合わせた重さが10kg以内
- 乗る駅の改札口などでケースを見せて、手回り品きっぷ(290円)を買う
- 乗っている間は、ケースから出さない
ほかの鉄道会社は条件が違うことがあるので、乗る前に各社の公式サイトで確かめましょう。
車
- キャリーやクレートに入れて、運転の妨げにならないようにする
- 長い時間走るときは、休憩をとって水を飲ませる
- 車内の温度に気をつけ、動物を車内に置いたまま離れない
- 車酔いや持病が心配なときは、前もってかかりつけの動物病院に相談する
飛行機・ペットの輸送サービス
飛行機に乗せられるかどうか、使えるケースの決まり、料金は航空会社によって違います。犬種や時期によっては預けられない場合もあるので、予約の前に航空会社の公式サイトで確かめましょう。ペットの輸送サービスを使う場合も、料金や条件は会社によって違うので、見積もりを比べましょう。
ペットがいることは、見積もりのときに引っ越し業者に伝えておきましょう。業者の比べ方は「引っ越し業者の選び方」で解説しています。
引っ越しの日に気をつけること
- 作業中は、ペットをキャリーや別の部屋に入れておく(ドアの開け閉めが多く、外に出てしまうおそれがある)
- いつも使っているフード・食器・トイレ用品は、すぐ取り出せる箱にまとめておく
- 新居の近くの動物病院の場所と診療時間を、前もって調べておく
- 引っ越し後、食欲が戻らない・元気がないなど気になる様子があれば、動物病院に相談する
新居に入ってからの確認は「新居でやること入居後チェックリスト」にまとめています。
7. ペットと住む部屋の確認
ペットと住める部屋を探すときは、契約の前に次のことを確かめましょう。
- 飼える動物の種類・大きさ・数の条件
- ペットを飼う場合の敷金などの条件
- 退去するときの原状回復の条件(特約があるか)
- 近くに動物病院があるか
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、ペットによって柱やクロスなどに傷が付いたり臭いが付いたりした場合は、借主の負担と判断される場合が多いとされています。ペット以外の部屋探しのポイントは「賃貸物件の選び方チェックリスト」で、退去時の費用の考え方は「賃貸の退去費用ガイド」で解説しています。
8. よくある質問(FAQ)
- Q. 犬の引っ越しで必要な届出は?
- A. 犬の所在地が変わったら、30日以内に、新しい所在地の市区町村に届け出ます(狂犬病予防法第4条第4項)。たとえば横浜市では、市外から引っ越してきたときは、前の市町村で交付された鑑札を持って区の窓口に行きます。持ち物は引っ越し先の市区町村で確かめましょう。
- Q. 犬の届出をしないとどうなる?
- A. 狂犬病予防法第27条により、届出をしなかった人は20万円以下の罰金の対象です。
- Q. マイクロチップの住所変更は必要?
- A. 環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」に登録している犬・猫は、住所などが変わったら30日以内に届け出る必要があります(動物愛護管理法第39条の5第8項)。オンラインでも届け出られます。
- Q. 猫の引っ越しで役所の手続きは必要?
- A. 狂犬病予防法の登録は犬が対象なので、猫には市区町村への登録の届出はありません。マイクロチップを登録している場合は、住所変更の届出が必要です。
- Q. 電車に犬や猫を乗せられる?
- A. JR東日本では、縦・横・高さの合計が120cm以内の動物専用のケースに入れ、ケースと合わせて10kg以内なら、手回り品きっぷ(290円)を買って持ち込めます。ほかの鉄道会社は各社の条件を確かめましょう。
※ 本記事は、狂犬病予防法(第4条・第5条・第27条)、動物の愛護及び管理に関する法律(第25条の2・第26条・第28条・第39条の2・第39条の5・第39条の7・第44条)、環境省(犬と猫のマイクロチップ情報登録、外来生物法の飼養等に関する手続き)、横浜市(犬の登録と狂犬病予防注射の手続き)、JR東日本(ペットの持ち込み)、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の公式情報をもとに、2026年10月時点の情報で作成しています。手続きの窓口や持ち物は、引っ越し先の市区町村などでご確認ください。