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1. 公立小学校・中学校の転校手続き
公立の小中学校は、住所をもとに市区町村の教育委員会が通う学校を指定します(学校教育法施行令第5条)。学校選択制をとっている自治体もあります。手続きの流れは、横浜市の案内を例にすると次のとおりです。
必要書類まとめ
- 在学証明書 — 元の学校が発行
- 教科用図書給与証明書 — 元の学校が発行
- 入学通知書(転入学通知書) — 新しい住所の市区町村が発行(横浜市では区役所で転入届と一緒に手続き)
- 転出証明書 — 旧住所の役所が発行
市区町村をまたぐ場合の注意
ほかの市区町村への引っ越しでは、手続きの窓口や書類の名前が自治体によって違います。引っ越し先の市区町村(教育委員会)のホームページで、手続きの場所と必要な書類を確かめておきましょう。横浜市は、新しい学校にも前もって電話で連絡するよう案内しています。
- 担任の先生に転校を報告
- 在学証明書を受け取る
- 教科用図書給与証明書を受け取る
- 旧住所の役所で転出届を提出
- 新住所の役所で転入届を提出
- 入学通知書(転入学通知書)を受け取る
- 新しい学校に書類を持っていく
- 新しい学校の制服・体操着等を準備
2. 私立小学校・中学校の転校
私立の学校に転入する場合は、受け入れているかどうかや、転入試験があるかどうかが学校によって違います。転入を希望する学校に直接問い合わせましょう。
私立から私立に転校する場合
- 転校先の私立学校が転入生を受け入れているかを確認(定員に空きがある場合のみ)
- 転入試験(学力テスト・面接)を受験
- 合格後、元の学校から必要書類を受け取り、手続きを進める
私立から公立に転校する場合
私立から公立の小中学校へ転校する場合は、住所地の市区町村で手続きをして、指定された公立の学校に転入します。横浜市の区役所の案内には、国立・私立の学校に在籍していた場合は在学していることの証明(生徒手帳のコピーなど)が必要とするものがあります。
3. 高校の転校(転入学)
高校は義務教育ではないので、小中学校のように住所で学校が指定されることはありません。転入するには、転入学の試験(検査)を受けるのが一般的で、受け入れの有無や時期は都道府県や学校によって違います。
公立高校の転校手順
- 現在の学校の先生に相談し、転学の意思を伝える
- 転居先の都道府県教育委員会に連絡し、転入可能な学校を確認
- 転入試験を受験(科目や内容は学校・都道府県によって違う)
- 合格後、元の学校から「転学書類一式」を受け取り、新しい学校に提出
私立高校の転校
私立高校への転入も転入試験が必要です。学校によって受け入れ方針が大きく異なるため、個別に問い合わせが必要です。
転校が難しい場合の選択肢
希望する学校に転入枠がない場合、以下の選択肢も検討しましょう。
- 通信制高校への転入 — 通信制の課程のある高校に転入する
- 元の学校に通い続ける — 引っ越し先から通える範囲なら、通学時間が長くなっても卒業まで在籍する選択肢もある
- 下宿・寮のある学校 — 保護者が引っ越しても、子供だけ寮で生活して通い続けるケースもある
4. 幼稚園の転園手続き
幼稚園は公立と私立で手続きが異なります。
公立幼稚園
- 新住所の市区町村の教育委員会に問い合わせ
- 学区内の公立幼稚園に空きがあれば、転入園の申請をする
- 定員に空きがない場合は、空き待ちまたは私立幼稚園を検討
- 転園先が決まってから、現在の幼稚園に退園届を提出
私立幼稚園
- 希望する幼稚園に直接連絡し、途中入園の可否を確認
- 園によっては面接や簡単な行動観察がある
- 入園料が再度必要になる場合がある
- 制服や用品を新しく揃える必要がある
5. 保育園の転園手続き
認可保育所は、新しい住所の市区町村に申し込み、利用調整(選考)で入れるかどうかが決まります。空きがなければすぐに入れないこともあります。
転園の手順
- 新しい住所の市区町村の保育の担当課に申し込む(引っ越し前から申し込める自治体もある)
- 利用調整(選考)の結果を待つ
- 内定が出たら、入園手続きと面談
- 転園先が決まってから、現在の保育園に退園届を提出
転園先が見つからない場合
- 認可外保育施設・企業主導型保育事業を検討する(施設に直接申し込む)
- 一時預かりを利用しながら空きを待つ
保育料の変化
「幼児教育・保育の無償化」で、3〜5歳クラスの認可保育所などの利用料は無料です(0〜2歳クラスは住民税非課税世帯が対象)。0〜2歳クラスの保育料は、住民税の額などをもとに市区町村ごとに決まるため、引っ越すと金額が変わることがあります。事前に新しい自治体の保育料の基準表を確認しておきましょう。
6. 転校の時期の考え方
引っ越しの時期を選べる場合は、子供への負担も考えて決めたいところです。ここからは、引越ナビが考える目安です。
区切りのよい時期
- 春休み — 新しい学年の始まりに合わせて転入できる
- 夏休み・冬休み — 学期の区切りで転入できる
気をつけたい時期
- 中学3年生の受験の時期 — 高校入試の出願先や手続きが都道府県によって違うので、今の学校と引っ越し先の教育委員会に早めに相談する
- 学期の途中 — 授業の進み具合や教科書が変わることがある
引っ越しの料金が安くなりやすい時期は「引っ越しが安い時期はいつ?」で、子育て世帯向けのものも含めた自治体の支援は「引っ越し祝い金・補助金まとめ」で紹介しています。
7. 子供だけ住民票を移す場合・今の学校に通い続けたい場合
「中学の卒業までは今の学校に通わせたい」「子供だけ祖父母の家から通学させたい」など、家族の住所と子供の学校がずれるケースもあります。公立小中学校の通学先は住民票の住所で決まるため、住民票の扱いがポイントになります。
住民票だけを移すのはNG
希望する学区の学校に入るために、実際には住んでいない住所へ住民票だけを移すのは虚偽の届出です。住民基本台帳法では、うその届出は5万円以下の過料の対象です(ほかの法律で罰せられる場合もあります)。教育委員会が居住の実態を確認することもあり、発覚すれば元の学区の学校に戻ることになります。
子供が実際に別の家で暮らすなら移せる
祖父母の家など、子供が実際に生活の拠点を移す場合は、子供だけ住民票を移すことができます。手続きは親(親権者)が代理で行えます。
- 子供は移り住む先の世帯の一員(例:祖父母の世帯の「孫」)として転入する
- 児童手当は、別居していても親が子供の生活の面倒をみて生計を同じくしていれば、親が受け取れる場合がある(届出が必要。くわしくは市区町村に確認)
- 健康保険の扶養は、加入している健康保険の基準で判断される(扶養の条件は勤務先や健康保険の窓口に確認)
引っ越し後も今の学校に通い続ける方法
家族そろって引っ越すものの、子供は今の学校に通い続けたい場合は、住民票を移したうえで次の制度を使います。
| ケース | 使う制度 | 申請先 |
|---|---|---|
| 別の市区町村へ引っ越す | 区域外就学 | 新しい住所の市区町村の教育委員会に届け出る(通い続ける学校がある市区町村の教育委員会の承諾が必要。学校教育法施行令第9条) |
| 同じ市区町村内で学区が変わる | 指定学校の変更(学区外通学) | 市区町村の教育委員会に申し立てる(学校教育法施行令第8条) |
認められる条件は自治体ごとに違い、市区町村の教育委員会が要件や手続きを定めて公表しています。たとえば、年度の途中に引っ越して学年の終わりまで通う場合や、中学3年生が卒業まで通う場合などを条件に挙げている自治体があります。通学の方法や交通費の扱いも、教育委員会に確認しましょう。
転出届・転入届の出し方は「転出届・転入届・転居届の出し方」、住所変更が必要な手続きの一覧は「引っ越し後の住所変更手続きまとめ」で解説しています。
8. 子供のメンタルケア
転校は、子供にとって友達との別れや新しい環境への不安につながります。次のような配慮が考えられます(引越ナビの目安)。
引っ越し前にできること
- 早めに伝える — 引っ越しが決まったら、なるべく早く理由も含めて伝える
- 意見を聞く — 新しい部屋のことなど、子供の希望も聞いてみる
- お別れの時間を作る — 友達とのお別れ会や手紙の交換、写真撮影など。連絡先の交換も大切
引っ越し後にできること
- 新しい環境の良いところを一緒に見つける — 近所の公園、新しい部屋の良さ、通学路の楽しい場所など
- 前の友達との関係を維持する — 手紙やビデオ通話で旧友とつながりを保つ
- 焦らない — 新しい学校に慣れるまでには時間がかかることがある
- 様子を見守る — 学校に行きたがらない、食欲がないなど気になる様子があれば、学校の先生やスクールカウンセラーに相談する
9. よくある質問(FAQ)
- Q. 子供だけ住民票を移して、別の中学校に通わせられる?
- A. 祖父母の家などで子供が実際に暮らすなら、子供だけ住民票を移すことができます。ただし、希望する学区の学校に入るために、実際には住んでいない住所へ住民票だけを移すのはうその届出で、住民基本台帳法では5万円以下の過料の対象です。引っ越したあとも今の学校に通い続けたい場合は、教育委員会に「区域外就学」や「指定学校変更」を申請します。
- Q. 公立小中学校の転校手続きの流れは?
- A. 横浜市の例では、①今の学校に転校を連絡→②在学証明書・教科用図書給与証明書をもらう→③転出届を出す→④新しい住所の区役所で転入届と転入学の手続きをして入学通知書をもらう→⑤新しい学校に書類を持っていく、の流れです。
- Q. 転校は学期途中でもできる?
- A. 公立の小中学校は、住所が変われば学期の途中でも転校の手続きができます。高校や私立の学校は、転入試験の時期や受け入れの有無が学校ごとに違うので、早めに相談しましょう。
※ 本記事は、学校教育法施行令(第5条・第8条・第9条)、文部科学省(就学すべき学校の指定の変更や区域外就学について)、横浜市(市立小・中学校の転校の手続き、各区の転入学の案内)、住民基本台帳法(第52条)の公式情報をもとに、2026年10月時点の情報で作成しています。手続きの窓口や必要な書類は自治体・学校によって違うため、引っ越し先の市区町村や学校にご確認ください。